錬金術師の助手  有内 毎晩



 ――あなたは誰です?

『それはこっちの台詞だな。私は道端で倒れている君を拾ったのだが』

 ――…………。

『……まあ、話したくないこともあるだろう。それに、君の恰好を見れば、大方の事情は察しが付く』

 ――……上に嫌気が差したんです。人を駒のように扱う彼らに。僕は、人の死が怖い。

『そうか。うむ、まあ、何というか偶然だな。私も似た理由でとある研究をしている』

 ――…………?

『不死の研究だ』

 ――あなた、正気ですか?

『そう問われようが、私は至って真面目だ。やり遂げてみせる。絶対に』

 ――……努力しているようですね。

『君はそういうことに興味は湧かないのか?』

 ――湧きましたが、僕にはそんな教養もありませんよ。

『「学ぶ者に覚悟があるなら、師が現れるであろう」――』

 ――…………?

『いや、錬金術の格言のようなものだ。そこで、私から少し提案があるのだが……』

 ――何です?

 

『君、私の助手になってみないか?』

 

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