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おかしな城の少女たち  バックベアード



 二人が黙々と紅茶を口に運び、山のようにあった菓子が全て少女達の小さな口の中に消えたのは、大分陽も陰った頃合いになってからだった。まだ諦めていなかったメアリが、席を立って声を上げる。

「この世界が面白いかつまらないか、『女王様』に聞きに行こうよ!」

 退屈を持て余して、ナプキンで折った紙飛行機をテラスの向こう側へと飛ばしたりしていたシャーロットだったが、その提案には眉を顰めた。

「この世界がつまらないか面白いかなんて、そんなどうでもいいことのために『女王様』のところに行くの?」

しかしメアリは引き下がらず、椅子を離れて詰め寄ってきたので、シャーロットは敵わないとばかりに腰を上げ、テラスを離れて自分の部屋の中へと戻った。

シャーロットの部屋の内装は、本人の好きな色を反映して、白と黒のモノクロ調になっている。シャーロットは白黒縞模様のクローゼットの前に立つと、黒色の寝巻を取り出した。

メアリはその背後で、機関銃のように言葉をまくし立てる。

「『女王様』しかわかんないの! じゃあ、『女王様』に教えてもらうしかないでしょ!」

シャーロットはそれを無視して、ドレスを脱ごうと背中のボタンに手をかけて、上から外していく。全て外し終り、裾を掴んで引き上げたが、脱げない。嘆息しながら、背後のメアリを窘める。

「メアリ。私が外したボタンを掛けなおすの、やめてくれる?」

「『女王様』に聞きにいくの! 行くったら行くの!」

 シャーロットが首だけで振り向くと、ドレスの端をひしと掴んで涙交じりに訴えるメアリが居る。その姿に、シャーロットはついに折れた。

「……明日の朝でいいでしょ?」

「絶対だからね!」

 はいはい、と投げやりでもシャーロットが返事をしたので、メアリは裾を離した。寝間着に着替えるシャーロットの背に、メアリは再三呼び掛ける。

「絶対、絶対絶対だからね!」

「わかったってば。ほら、今日はもう部屋に帰りなさい」

 シャーロットにせっつかれて、渋々メアリは部屋を後にした。

 

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