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4.苦痛の道
 こうして、俺たちの計画は始まった。しかし、その道のりは、俺の想像よりも、遥かに苦難の多いものとなった。
 例えば、計画を決めた次の日のこと。昼休みに、早速保健室に呼び出された俺だったが、入るや否や、何の説明もないまま、首筋に何かを注射された。
「……えっと、今更ですけど、これ、何ですか?」
「お前のような奴でも理解できるように言うなら……その止まりかけの成長期を復活させる薬だ」
「マジですか!?」
「一時的に、だがな」
 なんと。そんな便利なものを開発していたのか。何をされたのかかなり不安だったが、一応、俺のことも考慮してくれているらしい。ありがたいことだ。
「ただ、ちょっとした副作用があってな」
「へ?」
「まだ実験段階のものなんだ。当たり前だろう」
「はぁ……。ち、ちなみにその副作用というのは……?」
「味覚障害」
「味覚障害?」
「しばらくの間、食うもの飲むもの全てが、とんでもなく苦く感じる」
「……コーヒーより?」
「コーヒーにゴーヤ、あとそこら辺の雑草を適当にぶち込んでミキサーにかけた味、と言えばわかるか?」
「わかりません!!」
 なんだよ、その罰ゲームグッズは!? そういうのは芸人にはおいしくても、一般人にはただまずいだけだ!!
「まぁ、いずれは元に戻るはずだから、あまり気にするな」
いずれっていつ!? はずって何!? 気になる点が多すぎる!!
……と、心の中で突っ込んでみるも、この人が相手では、とても口には出せない。
「あとはこのサプリメントを飲め。これはただの栄養剤だから、副作用の心配はない」
「そ、そうですか……」
「ちゃんと水で飲めよ?」
「なんで先にあの注射をしたんですか!?」
「データを取るためだ。ほらほら、ちゃんと実験体の役目を果たせ」
「…………っ!」
 ……飲むしか、ないか。確かに今の俺の立場は実験体。自分で言い出した以上、ちゃんとやらないとな。
 いくぞ……!
「男は度胸!!」
 一気に飲み干した。その結果は……まぁ、ご想像にお任せしよう(一つだけ言っておくなら、少し後の保健室には、水も滴るいい女と、水を吐き出す変死体が存在していた)。
 とにかく、計画が進む中、俺はこの薬を始めとする様々なものを試すこととなった。
超濃縮牛乳を飲まされたり、
(一日中腹の痛みが治まらなかった)
 様々な効果のサプリメントを飲まされたり、
(もちろん、副作用も様々だったが)
 身長とは無関係のものまで投与されたりもした。
(もうコメントなんてしたくもない)
 先生の薬だけではない。
 夏休みには強化合宿まで組まれたし(金のほとんどは俺持ちで、ローンが組まれた)、先生の親衛隊とやらに襲撃されることすらあった(一緒にいるのが気にくわないらしい)。
 それでも、薬に関してはそれなりの効果もあったし、合宿で、食生活や生活リズムも徹底的に叩き直された。親衛隊との戦いは……まぁ、いい運動にはなっただろう。
 その結果、一週間ほど前、ついに俺の身長は169.9cmにまで達した。成長痛で体中が悲鳴を上げているが、今の俺にとっては嬉しい悲鳴というやつだ。先生の話では、さすがにもう俺の成長期は終わりを迎えているらしく(例の薬も、もう効果は無いらしい)、残り0.1cmにもかかわらず、伸びるのには、もう少し時間がかかるということだった。
 
 そして、今日――

続く→