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5.歓喜の声
 さて、初めのハイテンションな俺ならいざ知らず、こうしていざ冷静になってみると、さすがに不安が込み上げてくる。
「歌楽先生。もう一度聞きますけど、本当に今日には、残りの0.1cmは伸びているんですよね?」
「当たり前だ。私自身は狂っていても、私の計算に狂いはない」
「自覚、あったんですね……」
「何か言ったか?」
「いえ、何も」
「ならいい。とにかく、計算は完璧なはずだ。現に、あとたった0.1cmにもかかわらず、昨日までは伸びていなかったんだろう?」
「だからこそ不安なんですよ。このまま伸びないような気がして……」
「まぁ、万が一外れた場合は、自分の運の無さを悔いることだな。どちらにしろ、半年でここまできたのだから、お前の計画とやらは、達成したも同然だろう?」
「そりゃそうですけど……」
 しかし、せっかく予定日が今日になったのだ。今日という特別な日に伸びていてくれるのならば、それに越したことはない。
「ほら、グダグダ言わずに台に乗れ。さっきも言ったが、これ以上私は時間を無駄にしたくないんだ。男は度胸と言ったのは、確かお前じゃなかったか?」
「……わかりましたよ」
 フゥ、と、一度大きく息を吐く。そうだ、こういう時こそ、男は度胸。ここまできてためらっていてどうする。今日までの俺の努力、きっと神だって見ていてくれる。
「じゃあ、いきますよ?」
 ゆっくりと、台の上に足を乗せる。
 背中の支柱に合わせて、しっかりと背筋を整えていく。
 少し間が開いて、頭に軽い衝撃。
 いよいよか……!
「それじゃあ、言うぞ。……いいな?」
「……はい」
 
 答えた後も、また長い沈黙。なんだこの間は。届いたのか? 届かなかったのか?
 
 
 
 まだ沈黙。変な汗が出てきた。なんだよ、このみのも○た並の焦らしプレイは!? 俺はファイナルアンサーって言い直した方がいいのか!?
 
 
 
 
 
 まだまだ沈黙。ク、クラクラしてきた。ここは誰。俺はどこ? あなたはいつ? 今は何? なんで俺はこんな生き地獄を味わっているんだっけ?
 
 
 
 
 
 
 
「……170.0。やはり、私の計算に狂いは無かったな」
 
 ……い、今、170.0って言ったよな?
 
 ヒャク……ナナジュウ……。
 
 ひゃく……ななじゅう……!
 
 170!!
 
「よっしゃあぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああア゛ッ!!」
 
頭に重い衝撃。どうやら、測る部分を思いっ切り叩きつけられたらしい。
「うるさい!! 学校の保健室で叫び声を上げる奴がどこにいる!!」
「そんなこと言ったって、叫ばずにはいられませんよ!! 致命的な身長の低さから、ようやく脱出できたんです!!」
 あぁ、もう、嬉しくてたまらない。これからは、毎月の小遣い全てを神にささげても構わない! 一生先生の実験体にされても文句は言わない! 本当に……これは――
 
「最っ高の誕生日プレゼントですよ!!」
 
「……ん?」
 
 

続く→